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エンコーダ搭載により世界最小部品「0201」対応実装精度計測顕微鏡の高精度化を実現

富士機械製造㈱グループの一員である画像処理機器などを中心に生産設備の設計、製造、および販売を行う㈱エデックリンセイシステム(愛知県豊橋市)は実装精度計測用顕微鏡を設計しています。

エデックリンセイシステムは、FA システムから情報ネットワークに至るまで幅広くシステム提案を行うエンジニアリング集団として、ソフトウェア開発からシステム設計までをトータルに手掛ける事で先進システムを最善の方法で提供する体制を持っています。実装精度計測顕微鏡とは、基板実装ラインの工程組み換えの際、実装した基板精度を確認、または、量産基板の抜き取りチェックによる実装精度の確認に使用される顕微鏡です。

基板や実装部品の小型化に伴い、世界最小部品「0201」(0.25mm × 0.125mm) も実用化されつつあります。ますます厳しくなっていく基板実装精度に対して、部品ごとの傾向やバラツキなどをミクロン単位で測定することで、より高品質を保証することが可能になります。そのため、実装精度計測顕微鏡は、広く国内外の実装工場に普及が見込まれています。

エデックリンセイシステム社屋

課題

実装精度計測顕微鏡 Eagle Scope の精度は、XY ステージの座標計測精度によるところが大きくなります。そのため、位置決めエンコーダを搭載することで、高精度なステージ補正制御により、X,Y 軸それぞれ 400,300mm までのステージ移動量の精度を高めることに挑戦しました。ただし、コストを抑えることも開発の重要な要素となりました。

解決策

レニショーのコンパクト非接触式エンコーダ TONiC™ を採用しました。リードヘッドは、究極の信頼性、一貫した性能、汚れに対する高い耐久性を確保するために、第三世代のオプティカルフィルター機構を備え、ノイズ(内部ジッタ)をさらに低減するように調整されているだけでなく、オートゲインコントロールとオートオフセットコントロールなどのダイナミック信号処理によってさらに性能を高めています。

リードヘッドの内部には、これらの機能がすべて組み込まれており、比類ない安定性のある信号と、平均 ±30nm 未満という非常に低いサブディビジョナルエラーを実現します。

これにより、多くのアプリケーションで要求される高いスキャニング性能に必要なスムーズな速度制御と位置決めの安定性が、このコンパクトなリードヘッドですべて得られます。

リニアアプリケーションにおいて最高 10m/s の速度に加え、Ti インターフェースと組み合わせることで 1nm の分解能を実現できる TONiC システムは、短時間で簡単に取り付けることができ、大きなセットアップ公差を備えているだけでなく、ボタンを押すだけでキャリブレーションを実行できます。

スケールには RELM を採用しました。これは低熱膨張率でニッケルと鉄の合金の ZeroMet™ から作られたスケールで、ピッチは 20µm です。ファインピッチガラススケールに匹敵する性能に加え、長さ 1m で ±1µm 以内の精度(勾配とリニアリティーを含む)を備えています。

ZeroMet の熱膨張率は、0.75±0.35µm/m/°C で、 1 点固定により機材の熱膨張率の影響を受けないため、この低熱膨張率を維持できます。これらのエンコーダとスケールにより、優れた信号の安定性が確保され、優れたモーションコントロール性能が得られました。

結果

実装精度計測顕微鏡 Eagle Scope は、自社開発の 25M カメラを搭載し、広視野で高速に計測できます。また、独自の高精度なステージ補正制御により、X,Y 軸それぞれ 400,300mm までのステージ移動量を加味した絶対位置を ±5μm で高精度計測できます。

さらに、現場でユーザーからの聞き込みを重ね、実装データからの自動プログラム作成など、ユーザー目線にこだわった各種の便利機能を搭載しています。

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  • ケーススタディ:  エンコーダ搭載により世界最小部品「0201」対応実装精度計測顕微鏡の高精度化を実現